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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
ニッポンは大丈夫? 2007/11/08

人間が生きるために不可欠である食糧。地球上にはその食糧が不足し飢餓に直面する国々があるというのに、ニッポンの日常生活には食べ物があふれ、飢餓問題などとても遠くの出来事のように感じる。メタボや肥満など生活習慣病が話題となるニッポンでは、食糧問題は関係ないのだろうか。今や食糧事情はとても深刻な状況になってきているのだ。

地球上で餓えに苦しんでいる人は、約8億人強。その餓えと貧困で毎日2万5千人が命を落とし、5秒に1人の割合で子供が、餓えや関連する病気で亡くなっているということを、どれだけのニッポン人が知っているのだろう。その飢餓人口を多く抱える国々への世界中からの食糧援助は、年間約1千万トンほど。ところが、ニッポン国内のショッピングセンターにおける食べ残しやそれらの廃棄は、なんとこれを上回る1千2百万トンと聞いてア然とした。

また、一般家庭では賞味期限には敏感で、1日でも過ぎれば捨ててしまう。昔はにおいや色合いで判断したものだが、誤った商品知識や五感喪失の今、ニッポン人は期限・・・そこだけにこだわる。そんな食糧輸入大国ニッポン、飽食ニッポンの目に余る食糧の無駄遣いが、資源の浪費、輸送による環境への負担の増加を招いている現実を知ると、世界平和を叫ぶ資格などないような気さえしてくる。世界最低レベルの30%台に落ち込んだニッポンの食糧自給率を思えばこそである。自給率の低さがもたらす懸念材料としては、世界的な食糧需給の引き締めによる輸入依存への危うさが挙げられる。
いつまでも安定して食糧を輸入できる保証などどこにもないのだ。世界規模の食糧在庫不足が、すぐに解消される見込みもない。
こうした世界の厳しい食糧事情も、知っておかなければならない事実なのである。

満腹で食べ残すニッポン人には「もったいない」と感じても、食糧問題に対する危機感はまったく感じられない。そんな食生活の乱れを正すのは簡単なことではないが、性急に結果を求めず、根気よく取り組みたい。義務教育の中で‘食育‘をカリキュラム化するとか、‘エコフィード‘による循環を広めるとか、ニッポン全体で取り組んでいく中身のある提言こそ今、必要だ。
『食べ物を捨てる文化』に染まっているニッポン人の目を覚ませてほしいと思う。


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