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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
本音のエコと建前のエコ 2009/07/11

「50年前の自然環境に、すぐにでも戻したい」という人は大勢いる。だが、「50年前の生活スタイルに、すぐにでも戻ろう」という人は、まずいないだろう。
こんな環境問題における現在の自己矛盾性を指摘されると、ドキッとする人も多いはずだ。

それほど我慢できなくもない暑さなのに、クーラーをガンガンにきかせた部屋でエコに関する記事を読んでいる自分の姿を、ふと思い浮かべてしまう。また、燃費の悪い車であちこち駆け廻り、やれ山だ、それ海だと、うれしがっている自分もハッキリ言ってこっけいという他はない。
でも、そんなこといってたら最後には「人間の存在」そのものもまで否定してしまって、どうにもならないじゃないか。少しずつでもいいから、何か出来ることから努力していくしかないのだと、自分をごまかしつつ、今日まで生き長らえてきた・・・。

「環境問題は世界の終焉ではなく、むしろ再生と新たな創造の世界であるべきだ!」

例えば、少しでもゴミを減らすことを心がけたり、エコバックやマイ箸を持ち歩いたり、エアコンの設定温度を今なら1度高くしてみたり。車ではなく自転車や徒歩で出かければ、風や土の匂い、川の土手に咲く花に季節を感じて、心や身体の栄養にもなる。
人に優しく、地球に優しく、そして、自分に優しく。ともすれば、ただ慌ただしく過ぎてしまいがちな毎日だから、時には外に出て思いっきり深呼吸してみるのもいい。すると、周りを見渡してみれば、見えそうで見えなかった大切なモノが、きっと見えてくるはず。
エコは人と地球を幸せにしてくれるモノなのです。

「ハハハ、そんな事、私たちは、ちゃんとわかっている!」

最近ちょっとしたエコ・ブームだし、私たち人間の‘消費だけの生活’が、完全に行き詰まっていることもちゃんと知っている。今こそ生活スタイルを変えたいし、すぐにでも私たちは‘消費だけの生活’を変えなければならない。それが重要なのは、十分に承知してるんだ。
でも、結局のところ、忙しさやめんどくささに負けて、ついつい目先のことに追われて何もできないというのが本音なのだ。その結果といえば、何一つ進展していないし、それどころか環境問題は、ますます深刻さを増している。
自分だけなら少しぐらいは辛抱することもできるだろう。でも周りの人々にまで、省エネだ、エコだとうるさく言うのは、偽善的なようでちょっぴり恥ずかしい。こうして世の中に環境に気を配らない人が増え続け、気がついたら真面目に取り組む人々のほうが変わり者に成り果ててしまったのだろうか。

身近なエコとは、人間が自然に与えている負担を明らかにし、さらに私たちが堅固だと思っている‘消費だけの生活’のはかなさを知らせることなのだ。
ひょっとしたら、人間の英知で自然環境をコントロールできると信じている人は、今の世の中、案外多いのかもしれない。そんな人々は、自分たちが暮らす地球が50年前の自然環境に戻る可能性を考えたことがあるだろうか。
実は50年前の自然環境に戻すことは簡単なことなのだ。どんなコントロールも必要ない。ただ私たち人間が、消えさえすればいいだけだ。
自然が美しいこの地球。しかし、私たちはこの美しい自然を後世に残すことができるのだろうか。

「それも、私たち自身がこの地球から消えることなしに・・・」


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