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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
JIN −仁− 2009/12/15

TBS系日曜劇場『 JIN −仁− 』に、ハマってしまった。村上もとかの同名漫画を原作とした壮大な歴史スペクタル&ヒューマンドラマだ。
ある日突然、現代の脳外科医・南方仁が、物語の舞台となる幕末の江戸の町へタイムスリップ。様々な人々と深く関わっていくことで、いつしか自らも歴史の渦の中に巻き込まれていくという、なんともすごいドラマなのだ。ストーリーや設定はめちゃくちゃでも、登場人物が魅力的で個性的で妙なリアリティーをもっている。逆を言えば人物としてのリアリティーさえあれば、ストーリーや設定なんかはどうでもいい。要は人物がチャンと描けているかどうかが大切なのだ。
幕末に生きた人々の‘待ったなし’の日々は、鮮烈な臨場感と共に視聴者の心に泡立つほどの興奮を呼び起こす。良くできていて視聴率がいいのもわかる気がする。次はいよいよ最終回だ。

それにしても、なんとまあ個性豊かで魅力あふれる人物たちが描かれていることか。しかも誰もが、まるで息づかいまで聞こえてくるような切迫感を伴って視聴者の胸の中に飛び込んでくる。かくも多様な性格の人物像を、卓越した想像力によって生み出すところが、原作者の面目躍如たるところ。坂本竜馬など実在した歴史上の人物達も、フィクションならではの解釈がプラスされ、物語に違和感なく絡み存在感が際立っている。出演している俳優たちの演技も素晴らしく、丹念に描きこまれた登場人物たちのキャラクターを充分に堪能できる。彼らの一挙手一投足に、体温や息づかいを感じ取ることができるはずだ。

そして、物語の中で登場人物たちは、さまざまに想像を巡らせる。思いやり、あこがれ、不安、希望、嫉妬、孤独、野望・・・。妄想や憶測、願望や予想など、あらゆる想像は、物語の中でしばしば明確な境界線を失い、いつしかそれ自体がひとつの生き物のように動き出し、現前の事象以上に、人々の人生に影響を及ぼしていく。
「もしかして自分の行動が歴史を変えてしまうのではないか・・・」
この物語の重要なテーマによって時空を越えて繋がっている人たちの未来はいったいどうなるのだろう・・・、南方仁の心配は的中するのだろうか。

ここ一番で「神は乗り越えられる試練しか与えない!」と、南方仁は自分に言い聞かせる。人間には、危険に直面すると逃げ出す本能がある。だが、命がけで守りたいものがあれば、どんなに恐ろしくても、逃げない生き方が貫ける。痛みも喜びも真っ正面から受け止める南方仁は、やがて信じ続ける事が、奇跡を呼んで未来に繋がっていくと確信する・・・。
「未来が過去の結果だとするなら、最善を尽くした結果が悪くなるはずはない」
なぜなら過去の自分も未来の自分もすべて南方仁自身なのだ。

コミックならではのフィクションにしか出来ないこと。それはまさにこのようなことではないかと、テレビを見ながら何度も思わずにはいられなかった。現代の暗雲を吹き払う、人が群れる楽しさにあふれた、愛らしいドラマだ。
「幕末ドラマ」、これから流行るかも?

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「幕末の歴史は、脳外科医に委ねられた。」(番組キャッチコピー)


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