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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
寿退社でコトブキっちゃえ! 2009/12/22

「社長!お時間ありますか?ちょっとご相談があるのですが・・・」
まぁ大体、女子社員がこんなことを言い出す時は、決まって寿退社の相談だ。
「ひょっとして、コトブキっちゃうの?」
ソファーに腰をおろし、こう切り出してみた。すると・・・、
「ハイ!来春結婚することになりましたので、来月いっぱいでコトブキらせていただきます!」
「やっぱりねぇ。何となくそんな感じがしてたんだよなぁ」
「えっ、やだぁそうですか?」
「なんとなくわかるもんだよ。ここんとこ、コトブキりそうなオーラが出てたもん!」
と、とりあえず冷やかしてみる。
「ハハハ・・・(汗)」やっぱりちょっと、困っているようだったので、
「良かったじゃない、おめでとさん!」と、祝福したら、「どうもありがとうございます!」と、いつもの笑顔で微笑んでくれた。
それが、つい数ヶ月前の女子社員との会話だ。

最近ではあまり聞かなくなった『寿退社』という言葉。女子社員が結婚を理由に会社を退職する場合に使う日本的な風合いのある言葉だ。
「○○さんは来春ご結婚ということになり、本日をもって退職されることになりました。」
担当部署の上司から報告があると、まわりの同僚たちから「おめでと〜う!」という歓声とともに花束が渡される。
かつてはこんな光景がどこの会社でも見られました。『寿退社』こそがOLの花道。結婚後は家庭を守り、夫を支えるという考え方が主流だったのです。でも現代では共働きの夫婦が当り前の時代となり、だんだん聞かなくなった言葉でもあります。見方を変えれば、それだけ女性の立場に変化が生じているということなのだろうか。「稼ぐのは男。女には家庭をちゃんと守ってもらいたい」は、今や昔の話。

そんな中、先月末、ひとりの女子社員を寿退社で送り出しました。実は社長として、また企業として、女子社員を寿退社で送り出すことほど、うれしいことはないのです。寿退社は定年退職と共に、誰もが認めるきれいで絶対的な旅立ち(退職)のカタチ。ぎりぎりまで勤めて辞める子もいれば、結婚の準備に専念するため早めに辞める子もいて、時期は人それぞれ。寿退社する人にとっては大きな節目、そして新たな門出となる瞬間。ここはひとつみんなで気持ちよく送り出したいものですね。思えば私が社長になってから寿退社で送り出した女子社員は今回で4人目。いつの間にか、うちの会社は驚異の寿退社率を誇る会社になっていたことにビックリ。

寂しいけれど、社会人であれば決して避けては通れない旅立ち(退職)の時。送る側と送られる側、それぞれの心に残っているものとはどんなものなのだろう?
これまでにも寿退社を決めた女子社員たちとの‘おしゃべり’の中から浮かび上がってきた彼女たちが、女性として生きていく過程で直面せざるを得ない数々の問題。そして、それらをひとつひとつ乗り越え、結婚に至る道のり。環境や接する人によって変わっていく自分に、寿退社することで気づき、「今ここにいるわたしは、本当のわたし」という、すがすがしい認識へと至る彼女たちの、女として嫁として妻として人間として成長したいと願う姿勢に思わず目を細め、敬服してきた。

女子社員たちが社内での‘おしゃべり’の中から多くの「知見」を得るように、私自身もまた彼女たちとの‘おしゃべり’の中から今後の採用活動への「ヒント」を得ることが出来ていたのだ。寿退社は企業にとって共感度の高い、新たな採用活動への効用であり、女子社員にとっては最高のサプライズであり、世の男性に一泡吹かせる痛快な婚活サクセスストーリーだ。
こんなことを書けば、今の時代、かなりの確率で批判を浴びてしまうかもしれません。しかし、当社の採用活動の術(すべ)を語った言葉として読んでいただきたい。

「女子社員の皆さん、これからも遠慮なくコトブキっちゃって下さい!」


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