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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
音もなく降る雪の音 2010/02/06

雪の音ってどんな音???

たしかこんな‘なぞなぞ’があったのを記憶している。雪が降るたび今でも思い出す‘なぞなぞ’。
だが、答えはよく覚えていない・・・。いや、よくわからなかったと言ったほうがいいかもしれない。
でも、そんな答えを聞き忘れた‘なぞなぞ’を考えるのが好きだ。

今日は久しぶりに雪が降った。だが積もるほどではい。
子供の頃、このあたりでも冬には雪が降ることは、珍しいことではなかった。かといって豪雪地帯とか雪国とかいう必死のものではなく、ようするに騒ぎのモトにならず、毎日ご飯に味噌汁がつくように、とりあえず冬には雪がつきモノだった。
そして、私は雪が降ると、なんだかやけにうれしかったのを覚えている。
とくに昨夜寝る前にはなんともなかったのに、朝起きて窓の外を見てみると何もかもが真っ白、というのがたまらなく好きだった。ちゃんと片付けなさい、と言われていながらグズグズしていたために、庭に出しっぱなしのボールや縄跳びが見えなくなってしまうのもよかった。
それから、雪がだんだん解けてくると、今度は手品みたいにいろんなものが現れてきて、なんともおもしろかったのだ。

雪が降っていいなと思うのは、その上に字が書けるところだ。落書きの名人だった私は雪が降ると、近所の公園や学校の校庭を大きなこくばん代りにして足跡で流行りのギャグを書いていた。そしてたくさんの人に見てもらいたかった。そして笑ってくれる同級生の反応がうれしくて、また次もやるぞ、と雪が降るのが待ち遠しかった。よく見かけるくだらない便所の落書きなんかじゃなくて、雪のキャンパスに自分の好きなようにデカデカと書けるというのは、なんて素敵で気持ちのいいことなんだろう、と思っていた。

雪が降りだし積もり始めると、全ての音がやんでしまう・・・、そんなイメージがある。雪は視覚的に周囲の風景を覆ってしまうばかりではなく、雪が積ることによって周囲の音が吸収されてしまうのだ。車はスピードをおとし、店は早く閉まり、誰もが帰りを急いでいる。そしてしばらくすると、外を歩いている人が誰もいなくなる・・・。あとに残るのは、ただ、雪が降っているとわかる、それだけだ。

『音もなく降る雪の音』

雪は確かに音もなく降るのだけれど、まわりがその雪以上に静かになり、じっと身を潜めて息を止めているみたいになる。雪が降ったためにまわりの音がやんでしまう・・・。
それが「雪の出す音」なのかもしれない。

でも‘なぞなぞ’の答えがこれじゃぁ、つまらないですよねぇ。


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