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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
ネタを探して彷徨う送り手 2011/02/07

画像『 WOULD IT KILL YOU? / HELLOGOODBYE 』

シンセをフィーチャーし、スタイリッシュかつエモーショナルなパワーポップ・サウンドを聴かせる『 HELLOGOODBYE 』の久しぶりの新譜です。
これはイケるんじゃないでしょうか、皆さん。オープニングからいきなりニンマリしてしまいましたよ。ノリのいいサウンドがカッコいいというか、なによりネタを見つけたというか・・・・。

突然ですが、コラムを書く時、私にとって‘ネタ探し’という作業は、重要なファクターのひとつです。
推論だけだとかなりの筆力や独特の文体を持っていたとしても、より多くの読者にアピールすることはなかなか難しい。逆にネタばかりあっても、それに頼りすぎると単なるデータになってしまい、あっそ!で終わってしまいかねない。私は「ネタ探しは私論の中に生まれる」と思っているので、ネタを見つけた時、ある何らかの視点と脈絡がそれ自身の中に含まれていないとイライラしてしまいます。

最近私は、この〈しゃコラ〉がTwitterやFacebookなどのSNSと違って、ネット上で送り手側の私論≠ニ受け手側の期待≠フアンビバレントな関係で成り立っていると感じています。いやむしろ、その両方からの力によってまったく違ったモノを創り出そうとして試行錯誤している感じ・・・。やはり書くという作業は、自分自身の考えをさらけ出すわけで、多かれ少なかれ、私論とは主観的な行為になってしまうものです。誰もが注目しない、誰もが了承しないような観点や意見を取り上げて、読んでもらい、公衆を説得するという、つまりは、どうしたって思い込みを必要としてしまいます。
ということは、ネット上のこんな場所が有効であるためには、どうしても優れた読み手(受け手側)を持つことが不可欠であるわけですね。そういう意味では、間違いなく私は読者に恵まれていると感謝しています。
すいません、話がそれてしまいました。なんかすごく重要なことに気づいたような気がしたもので・・・。これも日々ネタを探して彷徨っている人間(送り手側)の宿命のようなものですかね。

さて、今回の新譜は、時折80年代風のシンセサイザーを効かした音使いや、UKロックの要素を取り入れたサウンド、フィルスペクター風のゴージャスなアレンジなどは相変わらずのHELLOGOODBYEではあるものの、これまでで一番こなれている感じ。一言でいえば‘ロック・ファンの音’で貫いているノリが主眼のロックンロール=B自発的・明朗快活・ビター&スイート・ロックンロール≠ネのだ。
今年は本作の国内盤もリリースされ、これ以上ないタイミングでの来日を4月に控えている。ただ彼らの音楽には、たくさんのニュアンスと感情的な抑揚感があるので、ステージ上でそれをプレイするのは本当に大変だと思う。アルバムのサウンドをライブにそのまま持ち込むのはちょっと難しくなりそうです。

バンドの屋台骨Forrest Kline(Vocals/Guitars)の自宅スタジオで録音された本アルバムは、タイトル「Would It Kill You?」からも読み取れるように「奇妙で不可解な世の中の事情を受け入れ、上を向いて歩こう!大丈夫さ!」というメッセージが込められているとのこと。
ちなみに、レコーディングから、アルバム・アートワーク、ポスターやマーチャンダイズのデザインに至るまで、全て自ら手掛けているということ以外、バンドについての細かなデータは持ち合わせていない。データの羅列よりも、的確なアナロジーよりも、音そのものがモノを言っていて、そのノリを主眼にして聴かせてしまうアルバムである。

ちなみに、このイチオシの新譜のネタ元は、TOWER RECORDS 広島店です。


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