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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
生きることの不条理 2011/03/21

平成23年3月11日、午後2時46分ごろ、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生した。地震とその後に押し寄せた津波で膨大な被害を出した岩手県、宮城県、福島県などの沿岸地域。想像を絶する惨状である。

これが巨大津波というものなのか・・・。

今も被災地では真冬並みの寒さが続き、被災された人々は避難所で肩を寄せ合い、寒さと空腹に耐えている。
しかし、そんな状況の中でも、各地から届く善意の輪に力を与えられ、未曾有の事態に立ち向かおうとしている人々。だれもが毅然としていて、置かれている状況に決して取り乱すことはない。

これから先、被災者たちは未来への希望や新たな価値観を求めて、荒れ果てた土地を彷徨うこととなる。廃墟を歩まなければならない。考えなければならない。そして、徐々にではあるがこの広漠とした廃墟からでも、未来への希望や新たな価値観を見いだしていくことだろう。新しいそれらが震災の前の生活や秩序と、どのように違うのか。今はまだ、はっきりとしない・・・。今はただ目の前に広がる光景に対し、恐怖をさらにこえる「畏れ」を感じるだけだ。

だが、あれだけ流した涙も、やがて枯れることだろう。あんなにも大勢の人々をのみ込んでいった海も、そのうち何事もなかったかのように静まりかえることだろう。
自然の猛威はその怒りの意味すら我々に教えてはくれない。いったい何が起きたのか。この災難が意味するものは何なのか。そしてここから学ぶべきところはいったい何なのか。
誰であれ、この世に生きることの不条理は、どうしたって避けることはできないのだろうか。

「いったい、なぜこんなことに・・・・」目の前で我が子を濁流にのみ込まれた母親が声を震わせる。悪魔意外のだれも見たことのないような修羅場に茫然と立ちつくすのみである。
「知ってる方、おりませんか」と、祈るような気持ちで写真を胸に行方不明の妻を尋ね続ける老人。
いつまでも死亡が確認された家族の名前を何度も何度も指でなどる父親。
「一人ぼっちになっちゃった・・・・」そう言い残し、家族の名前を呼び続けるひとりの少女。その場を離れようとはしない。

心に深い傷跡を残し、被災者たちは明日という日すら思い描くことができないでいる。私たちはそんな被災者に何がしてあげられるのだろう。どんな言葉をかけてあげればいいのだろう。
現実は時に残酷で厳しい。
「それでも・・・」と、被災者の安らかな日々を願わずにいられない。「必ず・・・」と、被災地の復興を祈らずにはいられない。

パソコンの文字がにじむ・・・。






あとがき

このたびの地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。未だ大勢の方々の安否が分からない状況ですが、ひとりでも多くの方の命が助かり、被災された方々が安全を確保し、これ以上の被害が広がらないことをただただ祈るばかりです。この苦難を乗り越え、一日も早く復興されますよう、心からお祈り申し上げます。


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