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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
AB型ですけど・・・、何か? 2011/11/04

「ねぇ、キミ血液型何型?」
「やっぱりねぇ〜、そうじゃないかと思ったんだ」

そこから始まって飲み会が異様に盛り上がった経験、誰だってありますよねぇ?
書店での売り上げ上位を独占する“血液型本”の数々。関連本もバカ売れで、今や血液型別性格診断が大ブーム。あっちでもこっちでも話題になる血液型。どうしてニッポン人は、こんなにも血液型にこだわってしまうのだろう・・・。

そもそも人には、自分を他人と区別したい、そんな自分をいい当てられたい、確認したいという本能があります。
様々な人種、民族が暮らす米国などと違って、ニッポン人は、自分と他人の違いを認識しにくい。そんなとき、血液型はちょうどいい“他者との比較”になるのかもしれません。A型「安定志向」、B型「好奇心旺盛」、O型「おおらか」、AB型「マイペース」といった具合です。典型的な類型化ですね。

また、自分を認識するだけでなく、他人についての診断でも“思い当たる節”が少しでもあると、信じてしまいがちです。“私の知っている人に当てはまる”という実例がものすごく力を持つんです。それは健康食品とかと同じで、理屈よりも“これで健康になった人がいる”という実体験を優先させてしまうのと、よく似ています。
他の占いが“未来予想図”をもたらすのに対し、血液型はどちらかというと、現在の自分自身の姿を確認するもの・・・。たかが血液型、されど血液型。心理ゲームのように相手の性格を探りながら、自分という人間も再確認できる。血液型は、いろんなツールを使って人間関係を円滑にしようという、ニッポンの文化が育んだ手段のひとつなのかもしれません。どうやら現代のニッポン社会において、血液型は有効なコミュニケーション・ツールとして機能しているようです。

でも、そうやってみんなで盛り上がれる半面、落とし穴もあるのです。単なる遊び心だからなどと、かばう人もいるでしょうが、差別や偏見や思考停止につながらないか心配です。血液型が与える最大の問題点は、人にレッテルを張ったり、決め付けたりすることです。これは差別や偏見の入り口となります。本人の能力や資質とは無関係の論点だからです。人間を見極めるための方法や判断材料なら他にもあると思うのですが・・・。
血液型を聞いて性格を憶測で判断し、その後のつきあい方まで左右する役割まで与えてしまっては、いかに科学的に反論しても歯が立たちません。
4種類の血液型に当てはめてしまうこと自体に、どう考えても無理があるんです。
大人としての礼儀をわきまえた範囲でワイワイ楽しむ程度にしとくことをおすすめします。何事もほどほどが一番ですね。

個人主義が確立されている欧米と異なり、島国ニッポンでは、周囲との人間関係を優先させる文化があります。
「何型ですか?」
こうやって、血液型を問うことがコミュニケーションのキッカケになるのなら、そう悪くはないかもしれませんね。

「ところで、何型ですか?」

「えっ、私ですかぁ?」

「AB型ですけど・・・、何か?」


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