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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
自筆の手紙 2012/04/21

電話(携帯)、FAX、メール。現代の通信コミュニケーションの発達は目覚ましく、人による‘配達’に頼らざるを得ない手紙なんかは、迅速性という意味において間違いなくITメディアに劣るだろう。
しかし、だからといって手紙の役割が終わったわけではない。

パソコンや携帯電話でメールを送る便利さに比べると、いまどき自筆の手紙などは、どうも分が悪い。早くはないし、癖のある字は読みにくい。だが効率的といえない時間は、慌ただしいこんな時代だからこそ意味を持ちそうな気がする。メモや伝言だけではない大人の自筆の手紙。いったいどんな味わいがあるのだろう。

手紙の魅力は、言うまでもなく自筆で文章を綴ることにある。もちろん手書きにこだわる必要はないけれど、やっぱり受け取る側としては印象が変わる。
特徴のある文字を書く人。一目見ただけであの人とわかるクセのある文字。最近のパソコンや携帯などで打ち出す文字に、なんだかそっけなく感じるのは私だけではないはずだ。

しかし、日頃から書き慣れていないと、なかなか自筆の手紙は出しにくい。「感じたことをメールで送るように書けばいい」と言われても、いい年をした大人には、結構やっかいだ。やっぱり手軽なメールとは明らかに違ってる・・・。

だが、東日本大震災後、豊かさの尺度や喜びの価値観が変わりつつある。手紙を書くこともそうだが、時代遅れだとか、面倒くさいと捉えられてきたものが持つ良さを見つけてもらえるようになった。確かに、メールには即効性がある。でも自筆のメッセージには、お世辞にも上手とは言えない文字であっても、丁寧に書かれた文字はちゃんと読めるし、なによりも丁寧に書いてくれたことにじわ〜っと受け取った人もうれしくなる温かみがある。

手紙だけでなく、旅先で日記を書いたり、好きな曲の歌詩を書き写したり。手でじっくり書くと読み返した時に、書いた時の気分を思い出せる。手書きのモノにはそんな役割もあることを思い出した。
想いを馳せた手書きの文字からは、相手の顔が見え、今にも声が聞こえてきそうでもある。
気負うことなく、ときには心穏やかに自筆の手紙をしたためてみてはいかがだろう。きっと温もりのある、心のこもった返事が届くに違いない。


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