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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
この国の最大のリスクは政治だ 2012/12/05

いよいよ衆議院議員総選挙が今日公示され、選挙戦がスタート。
石原慎太郎、橋下徹、渡辺喜美、嘉田由紀子、東国原英夫、舛添要一、河村たかし、・・・など、多くの政治家ヒーロー(?)たちがこぞって参戦。今をときめく《待望の人》たちだ。

でも、いったいあの人はどこの政党で、誰と一緒?具体的な政策は?消費税や原発はどうすんだ?「第三極」ってナニ・・・?

乱立する各政党は「この指止まれ」方式で理念が同じ勢力同士がくっつき合い、もう政党の名前すらよくわからない。選挙で生き残るためとはいえ、これでは長続きするわけがない!この時期での政党の離合集散は、ますます有権者の混乱を招いている・・・。

現在の世相は、思い通りにいかない現状を、すべて外部の責任にしがちという。そもそも現状を調整する努力が足りないのだろう。調整とは面倒くさいもので、世の中には調整を他人任せにしてしまう人が多い。調整を避けるそうした態度が、いわゆる安易なヒーロー待望論につながっていく・・・
。現実は一発大逆転のない「隅のないオセロ」。利害が人それぞれだからこそ、言葉や調整が重要なのだ。ところが、世の中には自分が切りつけられる寸前なのに、やんややんやとヒーローに声援を送り続けている無邪気な人が絶えない。

また、そのヒーローが気に入らない人たちは、しばしば「マスコミが虚像をつくり上げている」とメディア批判に向かう。だが、現実は、やはり多くの人たちが支持していて、だからこそヒーローとなり「選挙の顔」として担がれる。乗っかる世論があって、視聴率が取れて初めて、マスメディアも重宝する。
やはり世論の側に、民意の側に、ヒーロー待望論があるんだろうなぁ。これは近年の政権交代のプロセスそのものだ。よく言われている表現を借りるなら、それは政治システムが制度疲労を起こしているからに他ならない。そう考えると、政党政治という政治システムそのものに対する政治不信が、第三極を生み出したというのも理解できるというか、考えを共有できる。

現在の選挙は、有権者各人が忙しい日常の合間を縫って色々な政策について勉強し、適切な判断を下すことを前提としている。だが、そんなことは複雑化した現代社会においては到底不可能で、実際にはスパッと問題を解決してくれるヒーローを待望することになる。求めても裏切られる幻想サイクルの果てに、政治不信の質的変化を体現した有権者にとって、待望のヒーローを生み出すことで問題提起を行うことが、今や最適な判断となったのだ・・・。

だが現状では、強いリーダーシップを持った《待望の人》が、待ち望んでいる人たちに最終的に望ましい帰結をもたらすとは、どうしても思えない。私にとっての不安要素は、政治不信の底流で起こっている質的変化で、そこに一番の危機感がある。

あらゆる政党も、また多くのメディアもいまだ主題化できていない今回の選挙。「世論」という大衆の支持を取り付けようとする、まさに「イメージ闘争」のオンパレード。
こんなニッポンの政治の諸外国に比べてあまりに無防備な現状が、将来の「つまずきの石」になりかねないか心配だ。そういう意味では今回の選挙戦が、『この国の最大のリスクが政治』であることを露呈した格好となってしまったようだ・・・。


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