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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
3.11 〜 震災後に描く未来とは 〜 2013/03/11

多くの犠牲者を出した東日本大震災から今日で2年。大きな転換期に立つ現代のニッポン。震災によって経済停滞の荒波にもまれたニッポン人は、海図と羅針盤を失ってしまったのか・・・。今、必要なことは、時間軸と空間軸から、震災前を振り返り、震災後を見通して新たな航海の未来図を描き上げることだろう。

原発問題や消費税増税などをどう考えるのか。突如わき起こった近隣諸国との領土問題と、どう向き合うべきなのか。現在起きている事象の背景にはいったい何があるのか。
私たちを取り巻いている時代の閉塞感がいったいどこから来ているのか探りながら、時代の流れを踏まえたこの国の将来展望を描かなくてはいけない。

ニッポンが世界に誇っていた格差のない平等な中流社会が、今では見る影もなくなった。まっとうな暮らしが成り立たない下層階級が相当に出現している。
中流社会の復活は、産業構造の転換、アジア諸国の急激な追い上げ、ニッポン人自体が昔に比べると勉強しなくなったといった点を考えると、そのハードルは想像以上に高いといえる。

これまでの「常識」が覆され、ひとり一人が海図なき航海を強いられる厳しい時代。そんな“残酷な時代”を、これからのニッポン人はどう生きていくべきなのだろう。
震災後は、この国の企業の劣化が目立った2年だった。だけど、過去を振り返れば、こういった状況は何度もあった。いったん状況が悪くなるとすぐ悲観論に傾いてもうダメだ、となるのがニッポン人の悪い癖。

最近居心地悪く感じるのは「情報がありすぎる」ということだ。新しい事業を立ち上げようと思ってネットで調べても、たとえば「3年で約80%が失敗する」なんてマイナス情報ばかり出てくる。そんな環境の中で何か行動を起こすのはとても難しい。

自分で取捨選択できるなら問題ない。でも、一から新しいことを始めようとするとき、情報とは別の次元で、バカにならないといけない部分がきっとある。なぜなら冷静に考えて「必ず成功する事業」なんていえるものは、絶対にない(笑)。何か新しいことに挑戦するとき、過去のデータや事例だけを参考にしても必ず行き詰まる。だから、そういう情報を無視して突き進むこともすごく大事だと思う。で、実際にやってみたら、いろんなことができた、ってことも・・・。

今のニッポンに必要なのは、経済成長社会から人間成熟社会への脱却を図ることではないか。世界とリアルにコミュニケーションを取り、過当な競争社会を克服する必要がある。それなのに経済のグローバル化によって、先進国、新興国、途上国はそれぞれの「国益」という欲望を膨張させ続けている・・・。
ニッポンを含む先進国は、閉塞感を和らげるために、今後もさらなる競争を続けなければならないのだろうか。

いや、私はそうは思わない・・・。

人類の共存、持続可能な発展へ舵をとるべきだし、協調によって新たな秩序をつくることが、待ったなしの状況にあると思う。時間はかかるかもしれないが、新たな時代の変わり目を、そういう希望を描いて生きる時代じゃないかと・・・。今まさに世界は新たな段階に差し掛かっているのだ。

まもなく現代までの世界の流れを、新しい見取り図で語れる時代がやってくるはずだ。


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