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社長のコラム しゃコラ



社長のコラム、通称“しゃコラ”
ひろしま菓子博 2013/05/08


ゴールデンウィーク中、行列を覚悟で全国菓子大博覧会(ひろしま菓子博2013)へ行ってきた。お菓子の歴史と文化を後世に伝えるとともに、菓子業界の活性化の為に4年に1度全国各地で開催されている日本最大のお菓子の祭典だ。

場所は広島市中区基町の旧広島市民球場跡地や広島県立総合体育館とその周辺地区。各パビリオンには長い行列ができ、若いファミリーからシニアまで幅広い客層で大混雑。メイン会場では、地元の菓子職人が、砂糖や米粉で巨大な厳島神社を再現した工芸菓子を作り、春の広島の街を鮮やかに彩っていた。

広島での開催は、なんと92年ぶりらしい。92年前に前身の博覧会が広島で開催された時、会場となったのが当時の「広島県立商品陳列所」(広島市中区)。
優美なデザインのその会場は、その後の原爆投下によって「原爆ドーム」という悲劇を伝える負の世界遺産へと生まれ変わった。

城下町、軍都として栄えてきた広島。戦前は350人余りいた菓子職人の大半が原爆の犠牲になり、広島のお菓子文化も壊滅的な打撃を受けた。失われた技術も少なくないはずだ。

原爆投下から敗戦を経て、平和都市への転換を遂げた広島で開催された今回の菓子博は、戦後を被爆とともに歩んできた広島の歴史の確認とともに、今後の広島圏構想に代表される新たな地方自冶の構築の役割を担っているのではないだろうか。

「戦争で市民の生活から一番先になくなるのがお菓子で、それを楽しめるようになることこそが平和の始まりだった」と話す関係者の言葉には説得力がある。
甘味(代表としてお菓子)はある意味で平和の象徴だと思う。だから見事に復興をとげた広島の街で、再び開催されたことに意味があるのだ。

大切なことは菓子博が閉幕してからだろう。この盛り上がりを一過性のイベントとして終わらせてはいけない、と誰もが思うはずだが・・・。
大勢の来場者で華やぐ会場のすぐそばには、通りを挟んで原爆ドームがその存在を今も留めている。その対比から平和の尊さを感じ取り、大切な地域資源を次代につなげてほしいと願う。

 

 


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